著者:司馬遼太郎・山崎正和(対談)
出版:中公文庫
碩学の二人が、日本とは何かについての対談であるが、テーマが広すぎて纏めるのが難しいので、目次だけを列挙しました。
Ⅰ日本人論の成立
Ⅱ日本の性格
Ⅲ都と鄙の文化
Ⅳ日本人の典型
Ⅴ日本人の自己表現
本のあらゆる箇所に赤線を引きまくって、纏められないというか、纏められるほど単純な内容ではないので、以下の二人の言葉を紹介しておきます。
山崎:これだけ日本人論が盛んになっても、最低限の言葉による自己表現を持っていないことだと思います。言葉以前の了解はあり過ぎるほどあるので、日本人たるものがなんであるかということは無意識の層でははっきりしている・・・(略)・・・結局、われわれが言葉でわれわれ自身を知っていないことではないでしょうか。これまではそれでも良かったのですが、日本が国際化してくる時代の中で最大の問題になってきたような気がします。
司馬:言葉で、日本および日本人とはなんぞやということは、もう不可能に近いですね。
この対談は、1978年に行われているが、現在二人が対談をやれば、どのような内容になったのか?
読者として、二人の膨大な知識と見識に触れることで、幸福というか豊かな時間に浸っている感じです。山崎と司馬のファンにはお薦めの一冊です。
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