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2024年3月20日水曜日

読書 平安ビギナーの読書遍歴(NHK「光る君へ」)

     平安ビギナーの読書遍歴


平安時代については、学校の教科書程度の知識しか持ち合わせてなく、NHK大河ドラマ「光る君へ」が始まるのを機に、以下の本を読み始めました。
 
NHK「光る君へ」の視聴者の中にも、私のような「平安ビギナー」の方もいるのではないかと思い、多少でも参考になればと思い投稿した次第です。

① 「増補版・藤原道長の権力と欲望」倉本一宏 文春新書
10年前に出版の後、絶版になっていたが、大河ドラマを機に補章を付けて増補版として再発行。藤原道長の「御堂関白記」、藤原実資の「小右記」、藤原行成の「権紀」の位置づけや重要性が良く分かります。
なお「御堂関白記」はユネスコの「世界の記憶」に指定されています。
増補版で追加された「紫式部と源氏物語」では、ドラマの時代考証を担当したがかなり脚本に不満がおありのようで、冒頭から「光る君へ」の脚本の前提(まひろが道長と幼なじみ&恋仲であった)を真っ向から否定しているので、驚かないで下さい。

「紫式部と藤原道長」倉本一宏 講談社現代新書
上記と同じ倉本先生の本ですが、こちらの方が、大河ドラマを見る上では、道長と紫式部の関係がより分かります。

「あなたに語る日本文学史」大岡信 新書屋館
(著者は朝日新聞掲載の「折々のうた」で知られている詩人)
「近代以前の日本文学の基本線は詩歌」という主題で書かれています。(丸谷才一も同様な論を展開しています)
平安時代に関しては・・・和歌からどのようにして散文が発達し、最高峰の「源氏物語」に至ったかのプロセスの説明には、最高に感動し納得しました。

「藤原道長『御堂関白記』を読む」(倉本一宏)講談社選書メチエ
⑤「小右記」藤原実資(倉本一宏編・解説)角川ソフィア

この2冊は共に通読はギブアップ。関心のある部分の拾い読みで終了。

「田辺聖子の古典まんだら(上下)」田辺聖子 新潮文庫
古典の入門に最適です。NHKのドラマの時代より、少し下った平安末期の「とはずがたり」では週刊文春も驚くような、前代未聞のスキャンダルに田辺節が炸裂。

「刀伊入寇」葉室麟 実業之日本社文庫
藤原道長との政争を経て、大宰府に赴いた藤原隆家(道長の甥)と異民族「刀伊」の襲来。直木賞作家が余り知られていない貴族と異民族の戦いを描いています。