全然歯がたたない
出版:新潮選書
丸谷才一(以下丸谷)の最晩年に行われたインタビュー形式での著作。この頃病気がちで入退院を繰り返していた時期に行われたようだ。
内容を簡単に記すと以下のようになる。
「短編小説」なぜアメリカで発展したのか
「短編小説」なぜアメリカで発展したのか
「長編小説」なぜイギリスで発展したのか
「伝記・自伝」なぜイギリスで繁栄したか
「歴史」歴史は文学とどのようにかかわっているのか
「批評」批評にとって最も大事なことは何か
「エッセイ」エッセイという形式はどのようにして生まれたのか
「戯曲」芝居には色気が大事だ
「詩」詩こそ文芸の中心・・・と文学全般に渡る、謂わば「文学総合講座」のようなものである。
内容は、インタビュー形式なので、読みやすいが、だからと言って理解しやすい訳ではない。奥行きが深く、丸谷は元々英文学専攻なので、例示するのも、イギリスやヨーロッパの話が多くなる。私にバックグラウンドがないので、そういう箇所になると、全く理解できないというかギブアップ。
例えば、長編小説で「プルーストとジョイスがじっくり読まれた結果・・・ガルシア・マルケスもナボコフもボルヘスも新しい小説を書いた」とか、戯曲では「バロック演劇」等々の言葉が出てくると、チンプンカンプンである。
ただ驚くのは、インタビュアーである「湯川豊」が、丸谷に負けず劣らず教養が深く、インタビューを巧く誘導している。丸谷がこのインビューアー(湯川豊)を「年少気鋭の友人」と書いているが、彼は当時、文藝春秋社の取締役を経て、大学の教授であるから、丸谷との「対談形式」をとっても十分に読み物になったのではないかと思えるほどだ。
ただ驚くのは、インタビュアーである「湯川豊」が、丸谷に負けず劣らず教養が深く、インタビューを巧く誘導している。丸谷がこのインビューアー(湯川豊)を「年少気鋭の友人」と書いているが、彼は当時、文藝春秋社の取締役を経て、大学の教授であるから、丸谷との「対談形式」をとっても十分に読み物になったのではないかと思えるほどだ。
海外も含めて、文学全般に興味がある方には、面白いかも知れませんが、私には難し過ぎました。何故この本を買ったのだろう?