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2020年9月9日水曜日

写真+俳句 季語のある風景ー彼岸花

          彼岸花・曼珠沙華


春分と秋分を中日として、その前後3日づつの7日間を「彼岸」という。
仏教でいう生死流転に迷う「此岸(しがん)」に対して、煩悩の流れを越えた悟りの境地を「彼岸」というそうで、私には、まだまだ違う世界のことらしい。

空の青さが深くなって秋彼岸を迎えるころ、草むらや木陰などに、そこだけ火のついたように赤く燃えて咲くのが彼岸花で、残暑が長く続く年でも冷夏の年でも、殆どブレずに秋彼岸の頃には几帳面に咲いている。
私はその怪しいような美しさに魅かれるのであるが、この花がどういうわけか墓地の近くに群がって咲いていることが多いので、昔から「地獄花」などと呼ばれて忌み嫌われる場合もあるようだ。
曼珠沙華」という呼び名もあり、これは「赤い花」という意味の梵語からきている。

以下、「彼岸花+俳句」のコラボをご覧下さい。
(写真をクリックすればアップされます)

つきぬけて天上の紺曼珠沙華
        山口誓子

青空に無数の傷や曼珠沙華
       藤岡竹邨

曼珠沙華天の限りを青充たす
   能村登四郎

露の香にしんじつ赤き曼珠沙華
     飯田蛇笏

曼珠沙華どこそこに咲き畦に咲き
    藤後左右

むらがりていよいよ寂し彼岸花
    日野草丈

曼珠沙華河口にちかき川流る
        山口誓子

曼珠沙華不思議は茎のみどりかな
      長谷川双魚

曼珠沙華竹林に燃え移りおり
    野見山朱鳥

草川のそよりともせぬ彼岸花
        飯田蛇笏