ニッコウキスゲを求めて
「霧ヶ峰」という名前の単独峰はない。謂わば山域の名称である。
一般的には、車山(1925m)を最高峰とするその付近一帯の高原を「霧ヶ峰高原」と呼んでいる。
名前の通り霧の発生が多く、年間290日以上も霧が発生した年もあるようだ。現地で経験すれば分かるが、霧というより雲に包まれると言った方が正しいような気がする。
上記の写真も雨雲の中で撮影した。お陰でずぶ濡れになったのだが・・・
深田久弥は「日本百名山」の中で「山には、登る山と遊ぶ山とがある・・・(略)・・・(遊ぶ山は)当然それは豊かな地の起伏と広い展望を持った高原状の山であらねばならない。霧ヶ峰はその代表的なものの一つである」と述べている。霧ヶ峰は、戦前から「遊ぶ山」として認められていたようだ。
ここは高度が1600mもあり、7~8月の平均気温は20℃前後で、夏でも快適なので、その名を冠した某電気メーカーのエアコンもある。
かなり以前になるが、知人から「ここは、全山ニッコウキスゲが覆っていて驚いた」と聞いたことがあり、期待して行ったが、近年「鹿の食害」がひどく、電気柵で守られたかなり向こうにニッコウキスゲが咲いていた。「全山ニッコウキスゲ」には程遠い感じだった。(ここでの撮影には望遠レンズが必須です)
因みに田中澄江の「花の百名山」では、霧ヶ峰の花は「ヤナギラン」で、著者は「ニッコウキスゲ」は見ていないとのこと。逆に深田久弥は夏のニッコウキスゲを楽しんでいる。
以下、写真で霧ヶ峰を堪能して下さい。
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車山山腹からの眺め(上下とも) |