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2021年7月23日金曜日

街道を撮りにゆく 花かおる八島湿原(霧ケ峰)

   尾瀬より古い12000歳の八島ケ原湿原




霧ヶ峰高原には、湿原が3つ(八島ケ原湿原、車山湿原、踊場湿原)あり、それらを総称して、八島湿原と呼んでいる。中心となるのが、今回紹介する八島ケ原湿原です。
湿原の年齢を測る泥炭層の厚みが、8.05mもあり、1万2千年前に誕生したと推定され、日本最古の高層湿原と言われています。

花の見頃には、少し早かったようですが、それでもかなりの種類の花が咲いていました。
以下、写真をご覧下さい。









      




2021年7月19日月曜日

街道を撮りにゆく 名画の生まれた場所(東山魁夷)

   東山魁夷の「緑響く」のモチーフとなった場所



東山魁夷が還暦を過ぎた頃の作品の中に「白い馬の見える風景」というシリーズがある。その中の一つが、今回取り上げた「緑響く」という作品である。
絵の中になぜ白い馬が現れてくるのかは、私は知らない。初めてこの絵を見た時に、白馬に何か違和感を感じた記憶がある。ただ記憶にはしっかりと刻まれた。
東山魁夷「緑響く」

この作品のモチーフになったという場所が、長野県茅野市にあるので、訪ねてみた。
八ケ岳山麓の蓼科の近くの「御射鹿池(みしゃかいけ)」である。
この池は昭和の初めに農業用のため池として作られた。冷たすぎる八ヶ岳の水を太陽に当てて稲作に利用するためだそうだ。

「御射鹿池」の名は、諏訪大社に伝わる神に捧げるための鹿を射るという神事、御射山御狩神事にその名前の由来があると云われている。ここは「諏訪大明神」が狩りをする場所として「神野」と呼ばれ神聖な土地であった。(この段はWikipediaより引用)

この池は、周囲の鬱蒼とした樹々が、鏡のような水に映りこんで、農業用のため池とは思えない静寂感に満ちている。写真を撮る者にとっては、早朝に霧でも出れくれれば最高に感激すると思われる。

以下、写真で「御射鹿池」の雰囲気を感じていただければ幸いです。




この御射鹿池は、新緑や紅葉の頃が良いと言われています。
また近くには、霧ヶ峰高原~美ヶ原の「ビーナスライン」や、八ケ岳を東西に横切る「メルヘン街道」という洒落た名前の観光地があります。

2021年7月4日日曜日

街道を撮りにゆく 「高山植物の女王・コマクサ」

      標高2000mに咲き乱れるコマクサ


コマクサは、美しい花と、養分の少ない砂礫地帯のような、他の植物が生育できない厳しい環境に生育することから「高山植物の女王」と呼ばれている。
和名はその花の形が馬(駒)の顔に似ていることに由来するが、花の可憐さを考えると、可哀そうな名前のような気がする。
昔は、花の美しさよりも薬草としての価値が高く、古くから腹痛の妙薬として知られていたので、各地で乱獲され、今や絶滅危惧種になっている。

コマクサは、かつて田中澄江が『花の百名山』の著書で、白馬岳を代表する高山植物の一つとして紹介した。その本を読んだ後に白馬岳に登ったが、そこで見たのは花のピークが過ぎ、しょぼくれた一株のコマクサだった。
白馬岳で見たコマクサ
それ以来、この花の写真を撮りたいと思って、岩手山や秋田駒ケ岳のコマクサの大群落へ行く計画を何度もしたが、諸般の情勢がそれを許さなくて、計画はその都度頓挫した。

たまたま写真仲間の一人が日光白根山の前白根山に登った時に、コマクサを見たという話を聞き、調べていくうちに、丸沼高原にコマクサが咲いていることが分かり、今回の撮影となった。

この日は、本州南岸に梅雨前線が停滞し、終日雨の予想だったが、現地から花の見頃という話を聞いたので、雨の中を強行した。
現地に着くと、ここは標高2000mなので、晴れてはいなかったが、なんと雲の上に出た😍。お陰で濡れることもなくコマクサの撮影を堪能でき、途中一瞬だったが雲が切れ、日光白根山が見えた時は、感動しました。
帰り際には、「キセキレイ」の雛も見るオマケまでつきました。

以下、写真で、ご覧下さい。
雲の中を行くゴンドラ
コマクサは一般にはピンクだが、紅色や白色の花まであった。

突然雲が切れ、眼前に奥白根山が・・・感激!!!



キセキレイの親鳥・餌を銜えている。

キセキレイの雛たち

以上、永年の夢が叶ったコマクサの撮影でした。