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2020年11月2日月曜日

街道を撮りにゆくー秋の上高地(2)

        上高地雑記編


  1.上高地の象徴的シンボル

代表格は何と言っても「穂高岳」「河童橋」「上高地帝国ホテル」でしょう。

穂高岳
中央上の平らな部分の左寄りが最高峰の奥穂高岳(3190m)の山頂で、日本で3番目の高さを誇ります。
河童橋
名前の由来は諸説あるようです。
芥川龍之介が小説「河童」の中で河童橋を登場させたことで、一躍有名になりました。
夏のハイシーズンには、大混雑します。
上高地帝国ホテル
日本を代表する山岳リゾートホテルとして、1933年(昭和8年)に開業された。









         2.秋から冬への季節の移ろい

晩秋を象徴する落葉松の黄葉

「山粧ふ」から「山眠る」季節へ


3000m級の山頂では、既に厳寒の季節になっています。











         3.水の景色

コバルトブルーの流れ

「唐松模様」・・・これは私の造語です。
唐草模様とか市松模様とう言葉はありますが・・・
少し奥へ入ると、地震や豪雨で、倒木した樹や土砂崩れが至るところにあります。











白い目のカラス

目が白いのは瞬膜とばれるものです。
瞼は休んだり、眠る時などに使われ、それとは別に水平方に瞬時に動き、眼球を保護する半透明の膜です。







 4.その他

苔むした山道
夏の名残り

「カラマツソウ」の名残りのようです。


2020年10月31日土曜日

街道を撮りにゆくー秋の上高地(1)

            落葉松の黄葉を求めて


上高地には、これまで何度も来ているが、初めて厳冬期に入った時と今回の秋(秋は初めて)が一番感動しました。
(もっとも厳冬期に入山した時は3日の内2日間は猛吹雪でしたが・・・)

さて今回の上高地ですが、落葉松の黄葉を求めて、2020年10月25日に上高地に入りました。
この時期は、広葉樹の紅葉は既に終わっていますが、広葉樹より少し遅れる落葉松の黄葉は素晴らしいものがあり、また秋と冬が同居している季節を楽しめました。

上高地の場合、狭い範囲の中で景色に圧倒されるので、定番写真になりがちですが、今回はその定番写真編です。
日の出から月の出までを時間を追って並べてみました。

 朝陽を浴びる西穂高岳(綺麗なモルゲンロートとは成りませんでした)

 田代池(真冬には霧氷がつきますが、この日は霜が降りていただけでした)

 霧氷に覆われた霞沢岳


 梓川沿いに広がる見事な落葉松の黄葉樹林。
 
 西穂高岳をバックに落葉松の黄葉
 
 梓川の下流方面には、焼岳がどっしりと鎮座しています。

 定番中の定番ですが、岳沢方面の眺め。奥穂高岳は雲に覆われていました。

 西穂高岳方面


 岳沢方面

 明神岳と明神橋
 
 霞沢岳の方向から昇る月

上高地は11月中旬に閉山となり、それ以降は車は入れなくなるので、釜トンネルから歩いて入ることになります。(年末年始には一部の宿泊施設がオープンしています)
この時期は、槍・穂高への登山者や一部の写真愛好家しか入山しませんが、夏場には見ることのできない「モノトーンの沈黙の世界」が広がっており、日の出には雪で真っ白な穂高岳が紅く染まる素晴らしいモルゲンロートを見ることができます。
ただ、この季節の天候は不安定なので、猛吹雪だけで終わってしまうリスクもありますが、一度は経験するのも良いと思います。また危険を伴いますので経験者と一緒に行くことをお勧めします。

次回は番外編の作成を予定していますので、ご期待して下さい。

2020年10月1日木曜日

写真 2020年 撮れたての彼岸花です


       水も滴る彼岸花


9月末に栃木県鹿沼地区の彼岸花の撮影に行きました。
この日はあいにくの雨でしたが、彼岸花の撮影にはむしろ最適の条件でした。
「水も滴る彼岸花」をどうぞご覧下さい。










2020年9月9日水曜日

写真+俳句 季語のある風景ー彼岸花

          彼岸花・曼珠沙華


春分と秋分を中日として、その前後3日づつの7日間を「彼岸」という。
仏教でいう生死流転に迷う「此岸(しがん)」に対して、煩悩の流れを越えた悟りの境地を「彼岸」というそうで、私には、まだまだ違う世界のことらしい。

空の青さが深くなって秋彼岸を迎えるころ、草むらや木陰などに、そこだけ火のついたように赤く燃えて咲くのが彼岸花で、残暑が長く続く年でも冷夏の年でも、殆どブレずに秋彼岸の頃には几帳面に咲いている。
私はその怪しいような美しさに魅かれるのであるが、この花がどういうわけか墓地の近くに群がって咲いていることが多いので、昔から「地獄花」などと呼ばれて忌み嫌われる場合もあるようだ。
曼珠沙華」という呼び名もあり、これは「赤い花」という意味の梵語からきている。

以下、「彼岸花+俳句」のコラボをご覧下さい。
(写真をクリックすればアップされます)

つきぬけて天上の紺曼珠沙華
        山口誓子

青空に無数の傷や曼珠沙華
       藤岡竹邨

曼珠沙華天の限りを青充たす
   能村登四郎

露の香にしんじつ赤き曼珠沙華
     飯田蛇笏

曼珠沙華どこそこに咲き畦に咲き
    藤後左右

むらがりていよいよ寂し彼岸花
    日野草丈

曼珠沙華河口にちかき川流る
        山口誓子

曼珠沙華不思議は茎のみどりかな
      長谷川双魚

曼珠沙華竹林に燃え移りおり
    野見山朱鳥

草川のそよりともせぬ彼岸花
        飯田蛇笏


2020年8月24日月曜日

写真+俳句 季語のある風景-空蝉

          季語のある風景・空蝉


「季語のある風景」と銘打った「既存の俳句と私の写真をコラボ」した新しいシリーズを始めます。例えば芭蕉の句と私の写真とか・・・少し気恥ずかしい面がありますが・・・

今回は初回なので前口上が長くなりますが、お付き合い下さい。
テーマは「季語」であったり「季節」そのものになると思います。
このシリ-ズで苦労しますのは、数多くの写真がないと、なかなか既存の俳句との組み合わせが上手くいかないという課題がありますが、じっくりと取り組んで行きたいと思います。
また私自身の写真の撮り方が変わってくる可能性もあります。

第一回目のテーマは「空蝉(うつせみ)」です。
「空蝉」は夏の季語ですが、過去に撮影した写真を見るとなぜか9月に撮影したものが多いのです。蝉が地上に這い出て来る数が、夏の最後の方に多いのかも知れません。

「空蝉」の語源について文藝評論家の「山本健吉」は、以下のように説明しています。
 (空蝉は)古来より空しいこと、はかないことのたとえに使っている。「万葉集」に
 「うつせみ」を「空蝉」「虚蝉」などの字を当てたことから、蝉のぬけがらへ連想が
 いってしまったが、もともと「うつせみ」とは蝉とは関係のない言葉で、音を借りた
 だけなのである。

話が脱線しますが、一昨年亡くなられた「大岡信」によれば、古来より秋が来たのを歌人はどのように感じていたかと言うことを、以下のように述べています。(この話は以前にも書いたことがあるので、読まれた方は重複しますが、ご容赦をお願いします)

   秋来ぬと目にはさやかに見えねども
         風のおとにぞおどろかれぬる   藤原敏行

  古今集のこの歌が及ぼした影響は甚大で、立秋とは、すなわち「秋風が吹く」ことだと
  なったくらい大きな影響を与えた。
  時の移り行きを、目ではなくて「風」という「気配」によって知るという、より内面的な
  発見が、後世の美学に影響を与えた。

一方私はと言えば、秋を感じるのは「風」ではなく、「蝉の鳴き声」で感じることが多いのです。
これは私の感性だけの問題ではなく、最近の酷暑の影響で、立秋を過ぎても風は熱いのです・・・夜になっても。
まさにジブリ(宮崎駿がいうサハラ砂漠の熱風<ghibli>)のような風です。

盛夏の頃には、アブラゼミが「シャーシャー」と鳴き、そのうち、蜩や法師蝉(ツクツクボウシ)の鳴き声が交錯し始める。この蝉の鳴き声を聞いて、初めて秋が来たと安堵します。
その時期に元荒川の堤防沿いを歩くと、蝉の抜け殻が沢山見つかります。
そのような背景もあって、「空蝉」を取り上げた次第です。
 (秋の季語の「蜩」や「法師蝉(ツクツクボウシ)」の写真が沢山あれば良いのですが、
  写真が無いので空蝉になったという事情もあります)

前口上が長くなりました。以下ご覧下さい。









2020年8月23日日曜日

写真 釣りをしない人への釣りの話(本・映画・写真)

『オーパ!』に魅せられた人々



私は釣りはしませんが、開高健の「オーパ!」「フィッシュ・オン」「もっと遠く!」等々の一連の釣り紀行文学の愛読者であり、また映画では、ロバート・レッドフォード監督の珠玉の釣りの映画「リバー・ランズ・スルー・イットA River Runs Through It)」の大ファンです。

オーパ!」とは、開高健が、ブラジル・アマゾンに釣り紀行をした時に、大物の魚を釣り上げた際に、現地の人(ブラジル人・ポルトガル語)が発する驚きの言葉を、この釣り紀行文のタイトルにしたものです。
 因みに「fisy on」を辞書で引いても載っていません。
「(魚が)掛かった!」「(魚が)来た!」という時に使う、釣り人達の間で使われている言葉のようです。

作家・開高健の魅力は、その珠玉のような文章の巧さ(遅筆と言われているが)と、1965年のベトナム戦争のルポで九死に一生を得た「ベトナム戦記」や釣りのために世界を駆け巡る「釣り紀行」等のエネルギッシュな行動力が、読者を未知と魅惑の世界へ導いてくれます。

一方、映画の「リバー・ランズ・スルー・イット」は、アメリカ・モンタナの雄大な自然とフライ・フィッシングを通じて描かれる兄弟愛、釣り人の後方にある森の陰を巧みに利用し、釣り糸に反射する流れるような光の動き・・・
また、そこには古き良きアメリカがありました。
この映画は若きブラッド・ピットのメジャーデビュー作でもあり、監督のR・レッドフォードとのイケメン俳優の世代交代を感じさせるものがあります。

今回気づいたのは、上記のことに影響されているのか、これまでに撮影した中に、意外と多くの釣りの写真があったことです。
以下ご紹介します。

日本のフライ・フィッシングは、日光湯ノ湖で始まりました



ライン(釣り糸)の美しさに魅せられて

水面の反射も美しい

目の前を悠々と泳ぐ大きな獲物・・・

「はた迷惑」ならぬ「釣り迷惑」

元荒川の釣り人(こちらはフライ・フィッシングではありません)

桜に囲まれて・・・釣り人の「我が世の春」



2020年8月21日金曜日

街道を撮りにゆく 丸沼高原(標高2000mの涼を求めて)

          「天空テラス」へようこそ


この連日の酷暑で、ただひたすら楽をして「涼」を求めようとした結論が、日本百名山の一つ「日光白根山」(2578m)に登ることではなく、標高2000mの「天空テラス」と称する場所からこの山を眺めることであった。

奥日光湯元を横目に見ながら、金精トンネルを抜け、菅沼(標高1731m)辺りでは、気温は既に22℃と下がっていました。
この先の丸沼高原(1390m)からロープウエイで、一気に2000mまで駆け上がるという魂胆です。
この先は写真でご紹介いたします。

 ここが目的地の「天空テラス」  眺めは最高です。

 600mの高度差を一気に登ります

背景の日光白根山は2548mあり、関東以北で一番高い山です。

 ここには秋の空が広がっていました。

山頂カフェでの食事(フレンチトースト)

ハクサンフウロ

ホタルブクロ

名前は分かりません? 知っている方が居れば教えて下さい。


トリカブトもありました

帰りの金精峠では「捩花(ネジバナ)」という珍しい花のオマケまで付きました。

丸沼高原は群馬県なので東京から遠いというイメージや、東京近郊の人は日光地区では湯本温泉や金精峠が最奥という感じで、その先までは行かないようです。
ここは隠れた穴場という感じがしました。
山を登る人からは邪道に見えますが、真夏に楽をして2000mの高原で涼を求めたい人には是非お薦めの場所です。