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2022年11月15日火曜日

読書 利休の死ー戦国時代小説集(井上靖)

著者:井上靖
出版:中公文庫

「桶狭間」~「利休の死」までの約30年間の戦国時代をテーマにした短編集。
井上靖の本は、かなり以前に僅かだか何冊か読んだ記憶があるがはっきりしない。
今回久々に読んで、無駄がなく凝縮したその格調高い文体に魅せられた。
私の読書の狭い範囲での作家の文体のイメージがあるが、そのどれとも違う。
さすがにノーベル賞候補にもなったのもうなずける。
短編集なので、個々の感想は省略します。
 
以下、私の感じた自分流の勝手な作家の文体のイメージです。

司馬遼太郎:平明で分かりやすく、明るい雰囲気を醸し出す。分からないことでも分かった気分にさせられる。希代のストーリーテラーで、話術のような文体で人を酔わせる。

大江健三郎:かなり難解な書き方で、わざと分かりにくく書いているようにも思える。英語の関係代名詞の多い長文を翻訳したような文章に出会ったこともある。若いときならいざ知らず、今はこの作家の本は読めない。

開高健:型にはまった言い方を意識的に避けており、推敲に推敲を重ね、厖大な語彙とめくるめくばかりに多彩な比喩を駆使して、豊饒な文体に置き換えた文章。

江藤淳:作家ではないが、歯切れの良い江戸っ子風の文体は、さすがに評論家と頷かせる。ただ鋭すぎる面は否めない。

また、藤沢周平や葉室麟は、全体を通して人間としての温かみを感じさせる雰囲気を持っている・・・等々。

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