長谷川等伯の「松林図屏風」
「松林図屏風」の激しい筆遣いに驚き
「松林図屏風」
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| 〈この絵は写真撮影が許可されています〉 |
上野の国立博物館では、毎年1月には恒例の長谷川等伯の「松林図屏風」が展示され、10数年ぶりに観ました。
安部龍太郎の直木賞受賞作である「等伯」を読んで以来気になっていた作品です。
鑑賞のポイントは以下の通りです。
(以下、AIを利用しながら私見を入れて作成しました)
〈余白〉
この作品の最大の特徴は、何も描かれていない「余白」です。等伯は紙の白さをそのまま活かすことで、立ち込める深い霧や湿った空気感を表現しています。
〈墨の濃淡による距離感〉
近くの松は濃い墨で力強く、遠くの松は淡い墨でぼんやりと描かれています。
〈屏風の折り目による効果〉
折り目によって画面に凹凸ができると、松の配置にさらなる立体感と動的なリズムが生まれ、それを上手く利用しています。
〈等伯の心情〉
この絵は、等伯が愛息・久蔵を亡くした後に描かれたという説があります。
画面全体に漂う静寂や孤独感、あるいは厳しい自然の中に立つ松の生命力など、等伯がこの風景に託したであろう感情に思いを馳せてみるのも違う見方が出来るかも知れない。
この仮説が正しいとすれば、小説の「等伯」を読むとこの時の心情がよく理解できます。
この時期、狩野永徳が「京都画壇の絶対王者」として君臨しており、この小説のクライマックスの一つとして、等伯が狩野派の陰謀によって息子・久蔵を失ったのではないか、という疑惑が描かれます。
※私なりに、今回まじかで観て新しい発見がありました。それは、この激しいタッチで描かれた松の葉は風により上下に揺れる動きを現わしているのではないかと???
それは息子・久蔵を失ったやり場のない悲しみなのか、怒りなのか・・・
当時日本の画壇でこのような風の動きを現わす作品は観たことは無いように思えます。
※左の絵をクリックして頂ければ、画像がアップで見ることができ、筆づかいが良く分かります。
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